【終了】特集展示「仏教と龍」

令和5年12月25日(月)~令和6年2月9日(金)

 

 令和6年(2024)は辰年です。時や方位を表す「十二支」には古代中国から鼠牛虎兎…と動物が当てられ、現在でもアジア世界を中心になじまれています。皆さんも自分の生まれ年の動物が何かご存知の方が多いでしょう。このうち、「辰」の龍は十二種のうちで唯一、現在でも実在が確認されていない動物です。しかし、蛇のような長い体に鹿のような角、鋭い牙と爪をもち雨や水を司る龍のイメージは古来多くの人々が共有してきました。

 インドで生まれた仏教にも龍は取り入れられ、仏法を守護する存在となりました。仏教が次第に中国に広まると、中国固有の神仙思想における龍と交じり合い、それが日本にもたらされます。怒らせると恐ろしい存在から、恵の雨を降らせるありがたいものまで、その性格は様々です。東大寺の宝物にも各時代の色々な龍が見られます。盧舎那大仏が開眼された天平勝宝4年(752)も辰年でした。それから1272年、107回目の辰年も飛翔の年となることを祈願し、東大寺に伝わる龍を紹介します。

 

〈主な展示品〉

重要文化財 十二神将像のうち辰神 平安時代(12世紀)

重要文化財 舞楽面(陵王) 鎌倉時代・正元元年(1259)

      観音龍虎図 室町時代(15世紀)

      善女龍王図 江戸時代(19世紀)

      一筆画龍図 近代(20世紀)