令和6年7月18日(木)~8月30日(金)
地蔵菩薩は地獄から人々を救い出してくれる仏さまとして平安時代の後半頃から信仰が広まりました。その姿は他の仏菩薩と異なって髪を剃った僧侶のようであり、端正な顔立ちの像が多いことが特徴です。現在でも路傍にたくさんの「お地蔵さん」が祀られるように、もっとも我々に身近な仏さまと言えます。それゆえに特定の地蔵像が霊験によって信仰を集めることもありました。奈良には中世以来、多くの有名な地蔵像が知られていますが、東大寺の中にも著名な像が複数伝えられています。7月から8月にかけての地蔵盆の季節に、東大寺に伝わる地蔵菩薩を紹介します。
〈主な展示品〉
重文 泰山府君坐像(念仏堂伝来) 鎌倉時代・嘉禎3年(1237)
重文 閻魔王坐像(念仏堂伝来) 鎌倉時代(13世紀)
重文 地蔵菩薩坐像(法華堂伝来) 鎌倉時代(13世紀)
重文 地蔵菩薩立像(知足院伝来) 鎌倉時代(13世紀)
地蔵菩薩像(真言院伝来) 南北朝~室町時代(14~15世紀)
証菩提院地蔵縁起 江戸時代・正徳5年(1715)
※ 公慶堂伝来 快慶作地蔵菩薩立像は出陳されません
〈関連展示〉
重文 大乗大集地蔵十輪経 巻第一 奈良時代(8世紀)
重文 大乗大集地蔵十輪経 巻第四 奈良時代(8世紀)