令和7年2月8日(土)~3月16日(日)
奈良では春迎えの年中行事としても知られる二月堂の修二会ですが、本来の目的は十一面観音に人々の罪を懺悔し、それを善根として一年の安泰を祈る法要です。奈良時代に始められてから今年まで一度も途絶えることなく続いてきました。しかし長い歴史の中では戦によって何度も途絶の危機が訪れます。そのたびに時々の練行衆たちは強い決意でそれを乗り越えてきました。平和を祈る法要の継続は戦乱の世に対する仏教界からの抵抗と言えましょう。今年は戦後80年の節目の年です。世界の安泰を祈り、この特集では歴代の練行衆たちの不断の努力を紹介いたします。
〈主な展示品〉
重文 十一面観自在菩薩秘密心経建立道場儀軌 巻下 平安時代(12世紀)
重文 大導師加供祈句 江戸時代・享保10年(1725)
東大寺大仏縁起絵巻 巻下(副本) 室町時代(16世紀)
重文 二月堂修中練行衆日記 第二 平安時代・治承5年(1181)
重文 香水杓 鎌倉時代・寛元5年(1247)
重文 二月堂修中練行衆日記 第十六 室町時代・永禄11年(1568)
弾丸 室町時代(16世紀)
重文 二月堂修中練行衆日記 昭和二十一年 昭和21年(1946)
なお、期間中、奈良国立博物館においても特別陳列「お水取り」展が開催されます。あわせてご観覧されますとより深く修二会をご理解いただけます。奈良国立博物館と東大寺ミュージアムの両会場の展覧会をご覧いただいた方には、限定の特製散華をプレゼントいたします。どちらかの会場受付にて「観覧証明書」を受け取り、もう一方の会場受付でご提示ください。
