特集展示「東大寺と近代仏像修理のはじまり」〔第4室〕

令和7年3月19日(水)~7月9日(水)

 

 嘉永六年(1853)、米国東インド艦隊のペリーが黒船で来航し、江戸幕府に開国を迫ったことで日本は急速に近代化の道を歩み始めます。激動の15年を経て、明治の新しい国家では「文明開化」の名のもと旧来の価値観が大きく変わりました。仏教はその波に翻弄されますが、産業振興とともに文化発信の重要性に気づいた政府によって、仏堂や仏像は研究・保護の対象となっていきます。殖産興業と文化保護の役割を担ったのが博覧会であり、また次第に「文化財」としての仏像の修理も行われるようになります。この特集では近代の仏像修理のはじまりの場としての東大寺を紹介します。

 

※途中一部展示替えを行います。

  

〈主な展示品〉

勧学院絵図                  嘉永6年(1853)頃

東大寺展覧会目録                  明治24年(1891)

法華堂諸仏破損品箱              明治24年(1891)

東大寺法華堂仏像修理報告           明治36年(1903)

法華堂本尊宝冠残欠              奈良時代(8世紀)

戒壇院四天王附属金具             江戸時代(18世紀)

戒壇院本尊幷諸道具勘渡帳           江戸時代・天明3年(1783)

蔵王権現像(戒壇院千手堂安置)        平安時代(12世紀)