特集展示「理源大師 聖宝と東大寺東南院」(第4室)

令和6年10月18日(金)~12月20日(金)

 

 東大寺は八宗を兼学する学問寺でした。東南院はそのうち三論宗と真言宗を学ぶ院家です。貞観17年(875)に創建された東南院には公卿や法親王が入寺し、南都仏教界に大きな存在感を示してきました。この東南院を開き初代の院主となったのが聖宝(しょうぼう 832~909)です。聖宝は空海の実弟、真雅を師として出家し、また山岳で修行したことなどから、真言僧、あるいは修験道を再興した僧として有名です。しかし、その学識の基礎には密教だけでなく、東大寺で学んだ顕教である三論宗がありました。今回の特集では豪胆な個性をうかがわせる聖宝のエピソードに加えて学僧としての側面、また聖宝以後の東南院の歴史をご紹介します。

 

〈主な展示品〉

   宇治拾遺物語 巻第十二          江戸時代・万治2年(1659)

   東南院務譜               江戸時代・明和5年(1768)

国宝 東大寺東南院記               江戸時代(17世紀)

   理源大師聖宝像              室町時代(16世紀)

   三綱所日記                 江戸時代・元禄15年(1702)

   理源大師忌表白             江戸時代・嘉永元年(1848)

   恵日古光鈔 第二帖            鎌倉時代(13世紀)

   三論玄私考                江戸時代・天和3年(1683)

 

〈関連展示〉

重文 法華統略                平安時代(9世紀)

   三論玄義                江戸時代・元禄14年(1701)

 

なお、本年のザ・グレイトブッダ・シンポジウムは「東大寺東南院と南都仏教の展開」をテーマとしています。是非ご参加ください。

日時:11月23日(土)13:20~16:30

   11月24日(日)10:00~15:30

聴講無料、先着順。詳細はこちらをご覧ください。